素材によるだしの違いと作り方



西洋のソース

 

 

だしは日本だけのものではありません。フランス料理のソースだって「だし」なのです。フレンチで有名なのはソースのベースになるフォンです。そしてスープや煮込み料理のベースになるブイヨンもあります。イタリアンの場合では、スーゴやブロートと呼びますが、基本的には全く同じものです。

 

まずフォンですが、フランス料理においては欠かすことができない代表的な出汁で、材料は子牛のすね肉など動物性のものから作ります。ただし、それは狭義のフォンであり、白いフォンは素材をそのまま煮たもの、茶色いフォンは一度素材を焼いてから作ります。また、それらをデンプンでつないだフォンもあります。

 

よく聞くところのフォン・ド・ヴォーというのは、茶色系フォンで、子牛の骨、スジを焼き色がつくまで炒め、ブイヨンや水に入れて、弱火でじっくり煮込みます。更にタマネギ、セロリなど香味野菜、香辛料、トマトを加えて、再び煮込んで作っていきます。

 

ブイヨンも有名ですが、主にポタージュなどスープの基本素材となるだしです。ブイヨンのいい点は、野菜から出る甘みがソースの味の邪魔をしないという点で、そのためフォンよりも野菜の味を強く出すことができます。これは牛、鶏、魚など動物質に野菜なども加えて長時間煮込んで作ります。これ全体がポトフとなり、汁の部分だけ取り出すとブイヨンになります。

 

コンソメもだしですが、これはブイヨンから更にいくつかの工程を経由して作られます。つまり、完成度が高いスープ料理に適しているというような感じです。