西洋ソースの特徴
洋食の出汁は、肉と野菜の出汁ということになります。原理は和食の「かつおと昆布の一番出汁」と基本的には同じで、グルタミン酸とイノシン酸の出汁(スープストック)になりますが、結果としての味わいはかなり違うものになります。
洋食のだしで特徴的なのは、厚みがあるゼラチン質の旨みの出汁だという点で、旨みは結構ありますが、感覚的にはちょっとボーッとした味ともとれます。
どうしてそうなるのかと言えば、日本料理とは違って、洋食では、骨も叩き割って鍋に入れて、かなり長時間煮込んで抽出する出汁だからで、従って、洋食の冷えた出汁は、肉も魚もゼラチン質で固まることが多いのです。
そんなためか、フレンチ料理の味付けでは、いろいろな調味料、ハーブなどを使ってアクセントをつけた仕上がりになっています。
ブイヨンやコンソメには牛、鶏の肉や骨を使いますが、鶏ガラスープの場合はその名の通りに、鶏ガラのみ使います。鶏ガラは、肉を取った鶏の骨や髄です。肉もわずかに残る程度にはついている場合が多いようです。
鶏ガラスープに使用する野菜はネギ、ショウガなどであり、ブイヨンやコンソメとはこうした点でも異なるわけです。ちなみに鶏ガラスープは西洋料理でも使いますが、むしろ中華料理に使用することの方が多いので、市販されている鶏ガラスープの素には、中華料理を想定してニンニクや醤油が入ったものも多くなっています。